ごくたまに書く、「蒼空之館」向けのブログ。
コンサネタもあり。
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夏目漱石の『倫敦塔』を読みました。
……が、本をなくしてしまいました……。 本そのものより、本にはさんであった、ロンドンで買ってきたしおりをなくしたことの方がショック……。 まだ読みかけだったんですよ。その本には『倫敦塔』の他にいくつか作品が入っていて。 でまあ、読んだ限りのことを、思い出しながら感想を書きますと、やっぱりさすがです、夏目漱石。 僕もロンドンに行ったことがあるんですけど、ロンドンの全体に灰色がかった風景や、そびえ立つロンドン塔の様子、テームズ川の流れなどが、作品を読んでいるとはっきり思い出されるんです。 今も昔もロンドンの街ってそれほど大きくは変わっていないのだなと思うと同時に、同じような風景を見て、これほどまでに感じること、表現することが違うものかと思いました。 ロンドン塔の中での白昼夢の様子など、いやぁよくもまあこれだけいろんなことを考えついたものだ、と舌を巻きました。ロンドン塔は刑務所兼処刑場みたいなところで、罪人が一度そこに入ると二度と出てこられない、ってことなんですけど、それにまつわる過去を白昼夢に見るという筋書き。 あとは、『カーライル博物館』とかいう作品も読みました。これもロンドンの街の様子が伝わってきて懐かしかったなぁ。 他は、いつの間にか舞台が日本に戻っていて、変な怪談話っぽいのがあったのを覚えているくらい。 ってか、あの本どこでなくしたんだろうなぁ。本よりもしおr(ry。 そんなこんなで、今は新たな本を読んでいます。 小川洋子『薬指の標本』。 フランスで映画になったとか? 知らなかった……。 某知り合いに読んでいることを話したら、映画になっていることを教えられ、知らなかったと言ったら、「それ、私前に話したよ……」とあきれられるやら怒られるやら。 まあいいです。とりあえず、また本を読んだり小説を書いたりする気力が戻ってきたことだけでも祝ってやって下さい。 あ、群像新人文学賞に応募する作品も、第一次修正を完了しました。時間があるのでもう少し読み返したり感想をもらったりして、書き直すところがあれば書き直そうかと。 あとは、プリンターが問題だ。 うちのプリンター、Vistaに対応していなくて……。買わねばなるまい。痛い出費だけど、まあ買っておけば数年使えるし(できれば10年くらい使いたい)、しかたないかなぁ。年賀状印刷にも必要でしょうしね。 読書感想文だったはずが、よくわからないオチになってしまってすみません。 PR
高校の教科書を引っ張り出してきて、中島敦『山月記』を読みました。
他でもない、秋葉原の事件があったからです。 『山月記』は、李徴という優秀で才能ある人が、ある日突然虎になってしまい、のちに友人(袁傪)と再会して話をする、という小説です。教科書に載るくらいなので、短編です。 でも、この小説で虎になってしまった李徴と、秋葉原の事件の犯人とは、とてもよく似ていると思いました。 まず生い立ち。エリート街道を進んでいたが、途中で挫折して「俗物」になってしまったこと。 性格。プライドが高いこと。ただ、そのプライドは虚栄で、その実は「ほとんど羞恥心に近いもの」「臆病な自尊心」であったこと(ただし、秋葉原の犯人の性格については、推測の域を出ず)。 交友関係。友人が少ないこと。しかし、一方で「掲示板に犯行予告をすれば誰か通報して止めてくれるのでは」(秋葉原の犯人。ニュースより)、「傷つきやすい内心を誰も理解してくれなかった」(李徴)と寂しさを募らせていたこと。 そして、李徴は人食い虎になってしまい、秋葉原の犯人も人を殺してしまった点。 中島敦がこんな昔(1942年初出の作品です)から人間の複雑な心理を見事に描き出していたことに大変感服してしまいました。 この小説で、ひとつ気に入っているのが、袁傪の供回りのものたちです。 袁傪はすでに高い地位に就いており、供のものがたくさんいたのですが、彼らは虎になった李徴と出会ったとき、李徴に対して敵対的な行動を何一つ取っていません。むしろ、李徴の話に聞き入り、李徴や袁傪とともに悲しんでさえいるように描かれています。まあ、存在しないもののように描かれているとも言えますけど、「袁傪はじめ一行は、息をのんで、叢中の声の語る不思議に聞き入っていた」とありますから、完全に無視しているというわけでもないです。 何しろ旅の途中で人食い虎が出たんです。いくらもとの友人だといっても、主人が襲われるかもしれないのだから、弓でも槍でも刀でも、虎の方に向けたりしてもおかしくないのに、それどころか虎の話を袁傪と一緒に聞き入っています。 もちろん、虎を人間社会に戻すことはもうできません。でも、虎になってしまった李徴の話を聞き、その運命を一緒に悲しむ姿勢があります。 こんな事件があったあとだからこそ、読んでほしい、また、読みたい一作だと思います。 |
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プロフィール
HN:
大澤唱二/元多摩
年齢:
44
HP:
性別:
男性
誕生日:
1980/06/25
職業:
NEET
自己紹介:
創作歴 ・中学生の頃、国語の先生に書いた小説をほめられて気を良くし、執筆を始める。 ・高校では図書館に入り浸り、多くの仲間と出会う。 ・ひとつ上の代の防人因果氏に続き、書いた小説を小冊子にまとめて図書館に置くという活動を行う。 ・ものの弾みで「全国高校生創作コンクール」優秀賞を受賞してしまう。 ・大学でもちょろちょろ書くが鳴かず飛ばず。 ・2008年になって創作を再開、日本文学館の小さな賞の月間優秀賞をもらうがその後は連絡が来ず。まあ来なくていいけど。自費出版するお金なんてないから。 ・群像新人文学賞に応募中。発表は2009年5月。 赤黒歴 ・2001年の最終戦、セレッソ大阪戦@札幌ドームが初観戦。 ・その後年々観戦回数が増え、2006年に最大に。アウェイも結構出没する。 ・2007年は東京に移住したため若干減少。2008年はチームの成績が振るわなかったためさらに減少。 ・OSC「蹴遊旅人」に所属しています。 ドールズ歴 ・コンサドールズとは、コンサドーレ札幌専属のダンスドリルチームである。札幌のホームゲームで登場して華麗なダンスを披露。観客を魅了し、試合開始50分前のダンスでは、「アウェイドールズ」と呼ばれる、コンサドールズと一緒に踊る一団がアウェイ側B自由席(一番安い席)に登場、札幌ホームゲームの名物となっている。 ・コンサドーレがJ2最下位に低迷した2004年、アウェイドールズの存在に気がつき、一度参加してみたのが運の尽き。 ・その後はホームゲームごとにアウェイドールズに参加。そのうちに、ホームゲームに通う主な目的はドールズになったとかならなかったとか。 ・札幌を離れてここ2年はすっかり寂しくなりました……。 ・それでも札幌でホームゲームを観戦する時は必ずアウェイドールズに参加しています!
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